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緋蓮城哀歌 第2部 10
柔らかい月の光がさす夜。
・・・迷える彼らの求めに応じ、久方ぶりに月光に乗ってやってきたのは誰あろう、ギルドマスター「月輪の魔女」であった。
その重たげな、そして豊満な体を揺らせながら彼女はとくと語った。
「ふぅーん、資料は見たがねぇぇ、またずいぶんと特殊な立体魔法陣だこと」
エイリィ
「は、これはもう、マスターの得意分野であろうかと思いまして」
魔女
「これは、『瑠憂毘津苦 九部』と呼ばれている特殊な魔法陣さ。私も文献で見たことはあったがね、まさか実在しているなんてねぇ」
ジル
「る?るうびく?」
イールフ
「きゅーぶ?きゅうぶ?」
マルタボー&ヒッサー
「(ぽかーん)」
魔女
「うむ、古代の魔導師で建築家だったある人物が考案したものでね、造るとなったら施設が大掛かり過ぎるのと維持するのに膨大な魔力を喰うことからまったく普及しなかった代物さ。そう、少し違うけど、サイコロを9つ、均等に三段に重ねたものを想像してみるとなんとなくでも判るんじゃないかぇ。理論上は2×2とか4×4、5×5なんてのもあったみたいだが」
メイ
「あぁー、なるほどねサイコロ・・・立方体のパズルみたいなものね?その発想が足りなかったか・・・ってことは?あのボタン。」
魔女
「そう、例のピエロとやらに頼んで初期配置に戻してもらいながらどのボタンがどう動くか検証すればよい。後はお前達だけでもわかるね?」
アヌエウス
「3×3・・・真ん中の箱は動かないということでいいズラ?それとピエロの言っていたことを踏まえると、一番下のフロアに像を集めるように動かせばいい・・・ということダワサ、きっと。」
魔女
「(珍しい訛りのドラコンだこと)そういう理解でよいだろう。しかしここまで大掛かりな封印装置だ。何が出るかは知らぬが準備はしっかりとな。」
ガチムチソウル
「胎魔の扉が開く、とか言っていたかあのピエロ?。マダム、胎魔とはいったい?」
ガチムチ神主
「そうそう、だいたい王様が本当にここにいるのかすら、よくわかっておらぬのにの。この事件自体が、首謀者の動機も含めて謎だらけじゃ。ここまで降りて来ても肝心の王の行方はさっぱりじゃし。」
魔女
「それを調べるためにお主らがおるのじゃろうが?だいたいこの国は最近まで鎖国していたせいか、昔の事はよくわかっておらんでな、文献も見つからぬし・・・今、使い魔に探させておるから、何かわかれば伝えるとしよう。」
その他、細かい指示を出してすっかり満足した魔女は、雲の切れ目から差し込む月明かりに乗り、大陸の自分の塔に戻っていったのだった・・・
マカーブル「今日は機嫌よかったわね、ボス」
ルクス「あの方、まにあ、だからねぇ・・・こういう過去の遺物の」
アイリン「まにあ、じゃすまないのよ二人とも。100年?以上もああいった古代の遺物を研究しているんだから・・・」
こうして、しっかりと現状を認識した一行は、翌日胎魔の扉を開くため、町を出るのだった・・・
果たして、そこにあったものとは?
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