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~チームNの別離~
ニルダの杖が、リルガミンに再度安置されたその日。
冒険者たちはもちろん、街中がお祭り騒ぎとなった。
そんな中、ギルガメッシュの酒場で、ひとつのパーティがささやかな解散の宴を催していた。
ステイア「なーんかもう、あっというまだったわね、終わってみれば」
カケル「三ヶ月ちょっとのはずなんだけど、もう一年以上いた気がするな・・・」
フィラール「俺達が加わってからは一週間だったけどな。残念だっ!」
ロータス「でも最初に加入するときにもエルアキの旦那に念押しされてたしね。」
エルアキ「そうだぞ、お前ら。それに一月後には次の仕事をお前達に任せるんだからな。しっかり頼んだぞ」
アドア「??なんだっていうの。次の仕事が決まったの?」
エルアキ「ああ?言ってなかったか。東にアルマールって街があってな、ちょっと遠いんだがそこに店を持つことにしたんだ。」
ロータス「で、その準備やら護衛やらで俺達が雇われたって形だな」
アドア「よく資金が調達できたわね?いくらあなたでもそこまで稼いでいたかしら」
エルアキ「いやぁ、副業が当たってな。」
アドア「副業?・・・ってまさか、あのクリーピングコインの?!まだやってたんだ!」
エルアキ「どうにか飼いならすことに成功してな。貴族や占い師なんかにけっこうな額で売れたのよ」
カケル「あれってお話の中だけだと思ってましたよ。生けるコインの占いかぁ、流行りますね」
ステイア「それにしても念願の自分のお店、か。結局、冒険者相手の酒場兼何でも屋をやるんだっけ?」
エルアキ「そうだな・・・この街の酒場と宿屋を合わせた感じにしたい。将来的には冒険者のギルドみたいなものができればいいと考えている。」
カケル「それはおもしろそうですね。私はいったん故郷に帰りますけど、いつか寄らさせてくださいね」
ステイア「ヒノモトだっけ、東の果てでしょ?」
カケル「やらなきゃいけないことができましてね。自分の言には責任をとらないと・・・ステイアは残るんでしたか」
ステイア「そうね、迷宮の掃討戦に参加するわ。全部終わったら旅に出ようかと思って。その資金稼ぎね」
エルアキ「南に、か?すまんが俺達の分も頼んだぞ」
ステイア「ん、Hitとダフニの故郷がずっと南にあるって言ってたもんね。家族とかいるかわかんないけど、一応、けじめだし。全部終わったらアルマールにも報告に寄るわね」
アドア「そう・・・よね。やっぱり私も行くべきだったかしら。今からでも・・・」
ステイア「あ・な・た・は!もーう、せっかくあの朴念仁と一緒になれるんでしょ?余計なことに気をまわさないでよ。あとは私たちでやるから。大体そっちだって大変なんでしょうに。」
カケル「?誰ですかその朴念仁て??!」
ステイア「察しなさい。その頭は魔法のことにしか働かないの?」
カケル「(そっちだってちょっと前までただの魔法ヲタクだったんじゃ・・・)」
こうして、一つの冒険者パーティが解散となった。
世界を救ったわけでもなく、目だった戦果を残したわけでもなく。
だが、一つの冒険の終わりは、新たなる冒険の始まり。
そんな彼らの行く末は、誰も知らない・・・
エピローグ3 ~チームEの奮闘~ へ続く
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