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騎士団×盗賊団 25 ~平衡なることの守護者~
81日目
先日の凄絶な決闘に勝利したチームEは、満を持して第6層へと向かった・・・
途中、ノーム僧の集団に妨害されるも難なく撃退し、以前撤退を余儀なくされた「あの部屋」へとやってきた。
「我はエル’ケブレス」
「平衡なることの守護者、そして価値あるものよ 争いを捨てて、進むのだ」
やはり賢者たちの予言していたとおりであった。「中立の水晶」を所持しているチームEに守護龍は襲ってくることはなく、その深層部への扉を一行に指し示した。
身構えながらも恐る恐る進んでいく彼らを、エル’ケブレスは全てを見通すかのような目をもって見守っていた・・・
*****
半日は過ぎたであろうか。
別の出口から、チームEの面々が守護龍の前に戻ってきた。
どうやら一人はすでに事切れているらしく、仲間にぞんざいに背負われているようだ。
刀傷や火傷、凍傷など、ありとあらゆる傷が装備にも体にも色濃く残っている。
全員が満身創痍の状態であることは明白だったが、しかし、その表情は明るかった。
どうやら、試練を突破して目的のオーブを手にしたようだ。
彼らの様子から察したエル’ケブレスは、声にならない声を去っていく背中に語りかけた。
これでまた、安定した時代が訪れ、守護龍としての「役目」も終わる。
また時代が必要とするときがくるまで、龍は不死の眠りにつくのだ。
「さらばだ。汝の旅が安からんことを!」
*****
その後の話は、もはや蛇足に過ぎないと思われるが若干の説明を入れる。
チームE 、すなわちこの試練を解決したイグジス騎士団は宮廷内で大きな勢力となった。
それまで人間主導であったリルガミンの政治体制も大きく変わり、他民族、多種族に寛容な都市国家として今後一層栄えていく。
チームG、グラディアス騎士団についてはその発言力も含めて勢力を大きくそがれてしまった。
その後、騎士団としての体裁が保てなくなるほどに没落していったが、数年後「血の14日間」で知られる事件の際に混乱を収拾し緩やかに勢力を盛り返していく。だがそれは別の話し。
チームN、ノーラ盗賊団はリルガミン王家の直轄の部隊になった。これまで政治の暗部や情報戦などに弱いことが常々指摘されていたのだが、ノーラ盗賊団をまるまる抱え込むことによってその弱点を克服したようだ。なお、その際には敵対していた組織の吸収ということで混乱も見られたようだが、グラディアス騎士団の強力な支援があったため、比較的スムーズに組織を統合することができた・・・という説もあるがさだかではない。
騎士団×盗賊団 完 (あとがき+反省+言い訳に続く)01 | 2025/02 | 03 |
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