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騎士団×盗賊団 番外編1
~あるドワーフメイジの誓い~
ドワーフ。体格は小柄にして頑強な肉体、不屈の岩のような精神を持つ。
細工や鍛冶の技に秀で、貴金属に対する執着心は強い。
冒険者としては一般的に、その体格を生かし戦士系の職業につくものが多い。
しかし、いつの世にも例外というものは存在するものだ。
このリルガミンの街にて、迷宮探索に挑む複数のパーティのなかでただ一人、適職とはいえない魔法使いとして参加しているドワーフがいた。
彼の名はイキト。戦士の家系に育った彼がなぜドワーフでも珍しい魔法使いの道を選んだのか。
あるとき酒場で、仲間の一人がそう尋ねた。
彼は笑って、「バーサマの遺言だからな」といって、以下のような話を聞かせてくれたのだった。
彼の尊敬する祖母の名はステイア。彼女は若いころに「狂王の試練場」に挑んだことがあるメイジだったのだ。
残念ながら、彼女が試練場に赴いたときはすでに「魔除け探索」も最終盤であった。
彼女らが迷宮に挑んでから10日ほど後、とある熟練のEVIL-PARTYが目的であった「魔除け」を迷宮の主より取り戻したとの事。
その後、迷宮に残っていた魔物も掃討され、彼女はその才をほとんど生かすことなく故郷に戻ったのだという。
イキトは、いわゆる「おばあちゃん子」だったため、いつも当時の話や彼女自身の信条を聞かされて育ってきた。
曰く、今でこそ世界の魔法文明は衰退している。
しかし、かつては魔道王”赤き顎”を始めとしたドワーフの名高い魔法使いの伝説が伝わっているように、けっしてドワーフは魔法と無縁だったわけではない。
ステイアは伝説や伝承などを研究し、かの魔道王がその命と引き換えに世界を救った(異説あり)と結論づけ、強い思いを何十年も暖め続けていたのだ。
「ドワーフは魔法使いには向かない」という世間一般の常識を覆したい、という思いを。
残念ながら周囲の者のほとんどは聞く耳を持たなかった。
イキトを含め、ごく一部のものだけが、彼女の説を支持していた。
そんなステイアが現在、リルガミン近郊(だけではないのだが)に頻発した大地震の犠牲者となり、やがて王宮よりお触れが出たとき、イキトの足はリルガミンへと向かっていたのであった。
かつての友を頼ってなんとかして探索部隊に入り、メイジとして名を上げること。
それが彼の人生の目標になっていたのであった。
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イキトの話は続くかもしれませんし、また別のキャラクターの背景となるかもしれませんが、たまにこんな感じで番外編を入れてみます。
ステイアは前作「魔除け争奪戦」キャラですが、活躍の場が全くなかったためイキトのおばあちゃんとして名前を出してみましたが。
「狂王の試練場」と「リルガミンの遺産」との時間設定差は適当です。諸説あるようなので、こんな感じにしてみました。
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